K熱電対の劣化

K熱電対は耐酸化性を考慮して作られていますので空気中では安定しており、加熱温度と共にわずかづつ起電力が増加します。これは正常劣化で、この変化の様子は初期での変化量が大きく、放物線状に増加するパターンのものが多くあります。K熱電対は窒素や炭酸ガスに対しては耐久性があり空気中と同じと考えます。
しかし、水素ガスには大変弱く、起電力変化はそれ程大きくはありませんが、結晶粒の粗大化が起こりザラザラした感じで脆くなり電気抵抗が増大します。また、一酸化炭素、炭素には非常に弱く、表面の酸化層がとれ白銀色になります。また、硫黄ガスに対してもクロメルが弱く、割れが入ったり時には折れることもあります。このような現象を異常劣化といいます。