ある温度(T1)におかれた温度センサを他の温度(T2)の環境に移動させた場合、瞬時にT2 に変わるのでは無く必ずある程度の時間の遅れがあります。この時のセンサの温度は時間の経過と共に変化します。温度指示がT1 とT2 の温度差の50%に達した時の時間(θ)を時定数と呼び、応答時間、応答速度とも言います。応答時間の測定は一般的には63.2%又は90%を表す事が多いが、現在のJIS 規格ではIEC 751 との整合化により50%とされています。
時定数はそのセンサの外径、内径、材質、内部構造等により異なり、環境も水中と空気中では全く違います。よって、センサの種類ごとに時定数を表記する事は困難ですので代表的な形状での時定数を下表に示します。下表は測温抵抗体、熱電対とそれぞれのシースタイプの時定数となります。
■シース測温抵抗体(PT100 Ω ) の時定数
シース外径 | 指示 (%) | 0 → 100℃沸騰水中 応答時間(S) |
---|---|---|
φ 3.2 | 50.0 | 2.2 |
φ 4.8 | 3.9 | |
φ 6.4 | 7.9 | |
φ 8.0 | 12.6 |
■シース熱電対( 非接地) の時定数
シース外径 | 指示 (%) | 0 → 100℃沸騰水中 応答時間(S) |
---|---|---|
φ 1.0 | 90.0 | 0.2 |
φ 1.6 | 0.5 | |
φ 3.2 | 1.4 | |
φ 4.8 | 3.8 | |
φ 6.4 | 6.9 | |
φ 8.0 | 8.3 |
■一般型測温抵抗体
保護管外径 | 指示 (%) | 0 → 100℃沸騰水中 応答時間(S) |
---|---|---|
φ 1.0 | 63.2 | 約2.0 |
φ 1.2 | 約3.0 | |
φ 1.6 | 約4.0 |